
結論:成果を出したいなら、「緊急度×重要度マトリックス」で行動を仕分けせよ
創業初期の個人事業主や中小企業経営者にとって、仕事の多さは日常茶飯事。
次から次へとやることが湧き出てきて、気づけば一日があっという間に終わってしまう――そんな経験はありませんか?
しかし、本当に成果を出す人は、忙しさに飲み込まれず「やるべきこと」「やらないこと」をはっきり区別しています。
その鍵こそが「緊急度×重要度マトリックス(アイゼンハワー・マトリックス)」です。
このマトリックスを使いこなせば、ただ忙しいだけの日々から抜け出し、短期も長期も成果を出せる時間の使い方ができるようになります。
理由:緊急だけ追いかけると、成果は出ない
創業初期や小規模経営の現場は、すべてが大事に思えます。
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クライアントからの急な連絡
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SNSのコメントやメッセージ
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経理の締め切り
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新規顧客獲得の営業活動
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商品やサービスの改善
こうした「緊急」案件は、確かに放置できないものもあります。
ですが、緊急であっても「本当に重要か」という視点を持たないと、いつまでも火消しに追われる毎日から抜け出せません。
例えば──
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SNSの通知にすぐ反応するが、投稿の改善や分析は後回し
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クレーム対応には即動くが、そもそもクレームを減らす仕組み作りはできていない
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営業の問い合わせにはすぐ返すが、自社の強みを発信するコンテンツ作りが手つかず
どれも「目先のこと」に追われている典型例です。
成果を出す経営者は、これを根本的に変えています。
具体例:緊急度×重要度マトリックスで仕分けする
マトリックスの全体像
緊急度×重要度マトリックスは、以下の表のようにタスクを4つの象限に分類します。
緊急 | 緊急でない | |
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重要 | 第一象限:今すぐやるべき | 第二象限:計画してやるべき |
重要でない | 第三象限:委任または削除 | 第四象限:やらなくていい |
それぞれの象限を詳しく見ていきましょう。
第一象限:重要×緊急 → 今すぐやる
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クレーム対応
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納期直前の仕事
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トラブル対応
ポイント
第一象限は「火消し」の仕事とも言われます。避けられないことも多いですが、第一象限ばかりに追われる状態は危険信号。
本来は、第一象限を減らすための仕組み作りが必要です。
第二象限:重要×緊急でない → 計画してやる
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ビジネスの戦略立案
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商品・サービス改善
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ブランディングや情報発信
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自分自身の学びやスキルアップ
ポイント
経営を伸ばす要の領域がここです。
第二象限に十分な時間を確保するかどうかで、未来の売上や成長スピードは大きく変わります。
しかし、緊急ではないため、つい後回しにしてしまうのがこの領域の怖いところです。
「時間ができたらやろう」では絶対に進みません。スケジュールにブロックして必ず時間を確保しましょう。
第三象限:緊急×重要でない → 委任または削除
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急な営業電話
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無差別なDM対応
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誰かに頼める雑務
ポイント
第三象限は「他人の緊急」に振り回される領域です。
ここを自分で抱え込むと、自分の重要なタスクをどんどん圧迫します。
可能な限り委任する、もしくは丁寧に断るスキルを身につけましょう。
第四象限:重要でも緊急でもない → やらなくていい
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なんとなくSNSを眺める
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ネットサーフィン
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無目的なテレビや動画視聴
ポイント
完全なるムダというより、「やりすぎ注意」の領域。
息抜き程度なら問題ありませんが、長時間費やすのは危険です。
実践例:経営者の1日の使い方
では、実際にどのように使うか?
例えば以下のように、朝一でタスクを書き出し、マトリックスに仕分けします。
例)個人事業主のタスク仕分け
タスク | 象限 | 対応 |
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クレーム対応 | 第一象限 | すぐ対応 |
事業計画書の修正 | 第二象限 | 午後の時間を確保 |
突然の営業電話 | 第三象限 | 対応を断る、または留守電対応にする |
SNSをダラダラ眺める | 第四象限 | 制限時間を決める or やめる |
朝15分使うだけで、その日の過ごし方が劇的に変わります。
よくある失敗例
第三象限ばかりやってしまう
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「電話が鳴ると出ないと失礼」と思い、重要でもない営業に時間を取られる。
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突発の依頼にすぐ飛びつき、自分の仕事が後回し。
第二象限が全く進まない
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「緊急じゃないから」と後回しにする。
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結果、いつまでも事業が改善せず、同じトラブルが繰り返される。
第四象限に時間を奪われる
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疲れたからとSNSや動画視聴で数時間消える。
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「自分へのご褒美」と言い訳し、やらなくていいことをやり続ける。
まとめ:未来を変えるのは「緊急でないが重要」な行動
緊急度×重要度マトリックスの最大のポイントは、
「緊急ではないが重要」なことに、どれだけ時間を使えるか
に尽きます。
創業初期や小規模経営では、とにかく時間も人手も限られています。
だからこそ、未来を作る行動に投資する必要があります。
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売上の柱を育てるための戦略
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商品・サービスの質を高める改善
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自分自身のスキルアップ
これらはすべて、緊急ではないが、確実に成果につながる行動です。
今日から15分でも良いので、タスクを書き出し、マトリックスに仕分けしてみてください。
その小さな習慣が、あなたのビジネスの未来を大きく変えます。
「忙しいのに成果が出ない」という苦しみから抜け出し、
本当にやるべきことに集中する日々を、ぜひ手に入れてください。